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やまくに山村塾 事務局

〒871-0432 大分県中津市耶馬溪町金吉668
矢野 敏行

第24回act#24

臨地講演 「停年後の百姓」


講師:藤原 博(山国町朝尾野在住)
期日:2014年6月21日(土)
開催場所:山国町中摩、朝尾野
参加人数:9名

要旨

1 自己紹介
 (1) 1931年(満州事変始まる)山国町槻木農林業の家に生まれる。
 (2) 1952年法務省少年院教官に就職。以後39年間勤務。
  この間16回転勤(九州,東京,北海道)。  

2 資格取得
 (1) 国家公務員中級(農学)合格。
 (2) 教員免許小学校,中学(職業指導)取得。    
 (3) 職業訓練指導員免許(園芸)取得。

3 帰農の理由
 (1) 家業の継続,植物を育てる楽しみ追求。
 (2) 自己の経験を郷里の発展に生かしたい。

4 帰農の構想
 (1) 米作りをしない。果樹栽培を中核におく。
 (2) 年齢を重ねることと過疎化に備える。
 (3)
活動費の確保(生産品の売却)。

 5 軌跡
 (1) 住居の整備(取壊し,修理)。      
 (2) 機具の整備(消毒器,チェンソー,管理機)約20万円。
 (3) 農地の整備(休耕地の復活,開墾)約1.5 ha
 (4) 加工場設置(漬物),ジャム作り(野いちご,李)。
 (5) 作物の導入と改良(紫大根,丸い山芋,赤い花のそば,らっきょ,こんにゃく)。
 (6) 果樹の試作と改良(柿,栗,梅,李,ぶどう,くるみ)。   
 (7) 商標登録(六助)を行う(大根、栗に使用)。
 (8) 特産品を作る会を結成(旧下毛3町)(山渓とうじゅくの会)。
 (9) 墓地と山林の一体経営の呼びかけ(山国だより投稿)。
 (10) 山林購入と造林(帰農後の植込み約1万)。

6 現状(2014年)
 (1) 耕作地約1 ha(最大時 1.5 ha)、山林約20 ha
  (2) 果樹 栗100本 梅40本 柿15本 他。
 (3) 野菜作り(紫大根,丸い山芋,うど,たらのき,ふき,こんにゃく)。
 (4) 実施中の試作と改良(野いちご,栗)。
 (5) 山林手入れ,椎茸作り。 

7 就業中に感じた疑問
 (1) 中山間地は経済的に重要視されていない。根底に蔑視がある
 (2) 安価・大量販売は現在でも有利か。
 (3) 古いもの,身近なものを見直す必要。
 (4) 林業政策は個別事情・地域事情に対応していない。
 (5) 入会の慣習に困惑することもある。

農地、野山の有用動植物

区分 自家農園内およびその周辺  中津市中山間地 
花卉  はなわらび、ねじばな  ひごすみれ 
花材 梅  さるとりいばら 
山菜  わらび、ぜんまい、うど
ゆきのした、芹、三ツ葉
ほど芋(アピオス)、やまのいも
蕗、クレソン 
こごみ 
薬草  医者いらず、入道草
よもぎ、げんのしょうこ 
せんぶり 
山の下草など  ふじ、山椒、榊、茶、野いちご、たらのき またたび、竹(霜竹)
こしあぶら、くるみ、あけび、かしわ 
動物  まむし、しまへび、くさぎ虫
かぶと虫、蜂 
鹿、猪 

寸感(文責 相良):当塾「発会の趣旨」に言う、【「ない」と思えば何もない、「ある」と思えば何でもある。1家族(高齢夫婦2人)による自然利用と産品の商品化努力には感服。「24時間、脳みそを使え」と言われているようだ。講師の根底にある、深い生物理解・自然理解が注目される。
 ちなみに、筆者は現役で大学講師の時、学生に対して、「頭で何かができると思うな。しかし、頭は四六時中使え。」と言っていた。


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代表 :相良 直彦
E-mail : sagara.n@nk.oct-net.jp
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