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やまくに山村塾 事務局

〒871-0432 大分県中津市耶馬溪町金吉668
矢野 敏行

第21回act#21

講演「山を持つことのすすめ」

開催 : 2014年3月8日
参加者: 15名

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1.「山を持つ」とは   山地の一部を所有すること

2.なぜ今この話をするか

2-1. 山は価格的に多くの人の手の届く存在になった(10~30万円/ha)
2-2. その理由は、木材価格の低迷による資産価値の下落
     (下落の主因は1964年の木材輸入完全自由化:為替レート、「乾燥歩留まり」などから北   方材に勝てない)(TPPの先例ここにあり?)
2-3. 今や「山持ちは厄介持ち」の時代(銀行は融資の担保として認めない、自治体は寄附として受け取らない;だから、山を取得しても金儲けのためとは見なされないだろう)
2-4. 山は買い時?(売り時はないかもしれない、しかし世の中どうなるかわからない)
  (難は、自由に売買する市場がなく、換金性に乏しいこと; 決心力・行動力を要する)
2-5. お金の使い方を変えよう!節約、倹約‼(「消費は美徳」?、節約・倹約は悪徳か)
2-6. 放棄地を増やすな、外国人に買い占めさせるな
2-7. 自分は山を買ったか? — はい(隣接するところを買い取った)

3.所有した山とどのように向き合うか

3-1. スギ・ヒノキの山にしなくてもよい(多様な自然が存在するのは良いことだ)
3-2. 木はちょっと手を添えてやると真っ直ぐに育つ(人を育てるよりいい)
3-3. しかし今はけものとの闘いに消耗する;竹害もあり;ヤマイモ掘りは行儀が悪い
3-4. 人を雇ったらだめ(労賃分を山からは回収できない;撫育は所有者にしかできない)
  自ら働こう (三食、コメのメシを腹いっぱい食え;パン食では仕事にならぬ)
3-5. ウォーキングやジョギングをするくらいなら百姓仕事を!(産物が残る)
3-6. 山特有の危険はある;しかし、危険は感性も磨く?;一人作業の方が安全かも
3-7. 山は異世界?;山と向き合う力が減退?;世は軟弱化・華奢化していないか

4.山を持つことによってもたらされるもの

4-1. 癒し、逃げ場、蘇生、開放感、ふるさと感、資源を持つ安心感、健康
4-2. 行動圏の変化;思考・発想の軸足の変化;状況対応力(山は生きもの)
4-3. 精神構造(気宇)の変化:「大地がある」、「自然を持っている」
4-4. 自分の土地で身体いっぱい働くことができる喜び;何でもやる生活力と自信
4-5. 自分が手がけた山が育つのを見る喜び(山仕事には畑仕事を越える充足感がある)
4-6. 「山がある」環境で子供が育つ;資産が人を育てる;負の遺産を残す?
4-7. 固定資産税は毎年来る(例:2,830円/ha)、しかし悦びが上回ることも

5.まとめ

5-1. 確実なこと― 木は大きくなる;山道楽は愉し;少々の苦は担おう
5-2. 山は持たないより持つ方がよいと思う;「げってん」で行こう


参考文献:相良直彦 (2007) 山を持つことの苦と愉しみ ― 大分県山国町における経験から.
丸山徳次・宮浦富保編『里山学のすすめ』,昭和堂,京都,pp. 308–339.



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